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22/09: 雨が続きます

映画の雨について考えている。ドキュメンタリ的僥倖でもないと映画でリアルな雨を目にすることはない。運良く撮影時に雨と遭遇し得たとしても劇映画で十分な効果を上げる為には通常目慣れた程度のものでは不足でほんとんど台風に近いものが必要である。実験映画作家ヨリス・イヴェンスの映像詩『雨』*1が美しいのは劇映画では背景(ときには文字通り画だった)に過ぎない道路、建物、通行人といった景観の構成物を介して多様なアングルの雨を実体化したことによる。フィルムノワールの必要条件としてよく雨に濡れた夜の舗道が挙げられるのは照明効果上の問題ばかりではない、ドラマの筋立てとしての都市が生々しい奥行きを獲得するのに夜と雨のワンセットほどうってつけのものはなく、そのリアリゼーションは想像以上に困難である。久しぶりにラングの『飾り窓の女』を再見し、雨の夜の殺人の素晴らしさにまたぞろ浸されてしまう自分がいた。


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21/05: 『ブラック・ダリア』The Black Dahlia(2006)

数年前にエルロイの原作を読んでいるにも拘らず、全くストーリィを思い出せない。理由は単純につまらない原作だったからで済ませるとして、映画化された作品を見ることで目鼻立ちも定かならぬその「詰まらない」美女と再会を果たすのであろうか。


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11/11: 『波高き日』Terje Vigen(1917)

ノルウェーの劇作家H.イプセンが新聞に発表した叙事詩『Terje Vigen』はスウェーデンの監督ヴィクトール・シューストレエムによって映画化された。35mm映写機が無かったからかどうか知らないが、上映された版はスタンダードサイズの横だけが左右に引っぱられてヴィスタ幅になり、登場人物たちは逆シネマスコープ現象でずんぐりむっくりのリリパット族になった。何だかおかしな具合ながら釣られて笑うものはない。この作品はイプセン没後百年のイベントとして上映されました。韻文詩『Terje Vigen』の日本語訳はこちらです。


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