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23/02: 『夜よ、こんにちは』Buongiorno, notte (2003)

1978年3月16日、極左政治集団ブリガーテ・ロッソ【赤い旅団】によって誘拐された伊首相アルド・モロは55日間の監禁の後、5月9日に遺体で発見された。映画は今日まで多くの謎を残す現代イタリア政治史上の重要事件を扱うが、監督のマルコ・ベロッキオはプレス・インタビューに次のように答えている。

(略)…歴史家ではないものですから、実際に起こった事実のほうではなくて、これまでにない新たな手法で物語を語ることにより関心があります。…(略)

:オフィシャルサイト:インタヴュー

その言葉通り、事件を描くための必須の要素として脚本家を兼ねる監督は女性テロリストという虚構の存在を物語に導入する。彼女は昼間は公立図書館に勤務し、帰宅後はアジトであるアパートメントに隠匿中の人質や仲間のテロリストたちの身の回りの世話を焼く二重生活のお蔭で、内/外の世界に通じる特別な視点を保持する。9-11テロが起こった時、既に作品に取り掛かっていた監督は、70年代の極左テロと21世紀の無差別テロとをパラレルに描くアイデアをも抱くのであるが実現には至らなかった。二つの事件を“孤児”*1を接点として捉え返そうとしていたらしい、またそれも興味深いことのように思われる。



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11/11: 『波高き日』Terje Vigen(1917)

ノルウェーの劇作家H.イプセンが新聞に発表した叙事詩『Terje Vigen』はスウェーデンの監督ヴィクトール・シューストレエムによって映画化された。35mm映写機が無かったからかどうか知らないが、上映された版はスタンダードサイズの横だけが左右に引っぱられてヴィスタ幅になり、登場人物たちは逆シネマスコープ現象でずんぐりむっくりのリリパット族になった。何だかおかしな具合ながら釣られて笑うものはない。この作品はイプセン没後百年のイベントとして上映されました。韻文詩『Terje Vigen』の日本語訳はこちらです。


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